2023年6月7日～2023年6月25日
展覧会のタイトル、「円満具足」とは「十分に満ち足りていて、少しも不足がないこと」という意味ですが、
中国語では曼荼羅の語源になっています。
曼荼羅は、「本質を所有する」「本質を図示・図解するもの」という意味を持ち、アジア圏において、長く宇宙の形相を説明するものでありました。
三人の作家は共通して、歴史上のさまざまな文化や宗教と現代のサブカルチャーを融合しながら独自の哲学を追求し、神羅万象を絵画作品に封じ込めます。
三人の描く現代の曼荼羅をぜひ、ご高覧ください。
有賀慎吾
1983年長野県生まれ、2015年に東京芸術大学美術研究科の博士号を取得。
自然物、宗教、哲学、SFなどをインスピレーションとして、自身の「虫的感覚」を生み出し、「蜂が蜂の巣を作るように言語的な設計図は使わず、宇宙の幾何学に従って」制作する。
抜水摩耶
1982年、京都府生まれ。東京都在住。京都芸術大学（旧・京都造形芸術大学） 芸術学部情報デザイン学科卒業。同大学院芸術研究科（芸術表現専攻）修了。
慣れ親しんで描いてきた少女漫画風の女性キャラクターを中心に、彼女等を巡る物語を東洋西洋の宗教画の構図を用いながらカオティックに表現する。
前田裕
1984年熊本県生まれ。京都精華大学デザイン学科卒業。フリーランスとしてCM,MVなどの広告アニメーションを制作。 2013年南カリフォルニアに移住し絵描きとしての活動を始める。Hi-Fructose,Juxtapoz magazineなどのアート雑誌に記事が掲載される。2019年LAのSuperchief Galleyにて個展を開催。2020年帰国。サイケデリックな色味が印象的な前田のペンティングからは、南米の信仰や、東洋の仏教芸術などを組み合わせ、西洋の遠い場所で同時発生したアニミズムの共通項を探る様子が伺える。
