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東春予「実験漫画(コミックも時にはパレードのように)」



2023年9月8日(金)~2023年9月24日(日)

13:00~20:00(月.火休廊)


パレードをしませんか、あなたもご存知のように、ある地点から違う地点へ行くための手段はたくさんあって、徒歩、バス、鳩バス、タクシー、電車ポニー新幹線、その他諸々ありますが、今回はわたしといっしょにパレードをしましょう。


パレードをするにはコツがいる、最も重要なのは、ある地点へ行くという目的、その目的の優先順位を、移動する、という行為の下に置くこと。

目的のための行為ではなく、行為のための行為をすること。

そうして好む好まざるに関わらず、偶然着いた場所を目的とすること。


例えば漫画を読むとして、あるコマaから次のコマbへあなたが視線を移せばコマaはたちまち過去になる。未来であったコマbは現在になり、本を閉じれば全てのコマは過去になる。コマや、コマの中の絵は、全体を貫く物語と、前後のコマのもつ文脈に分かち難く連ねられている。描かれたコマの中の瞬間たちは、物語を構成するためのたんなる手段であり、結末までの放物線から逃れることができない。

これでは目的が手段の上にあり、パレード的行為とはいえません。


そこで、わたしはコマをページからくり抜いて壁に貼って眺めたいと思います。そうすると、コマaやbは、流れるひとつの時制から抜けて、単なるひとつの絵画になる。ストーリーの構成物から、その時その瞬間を顕した、それそのもののために存在するそれそのものになる。それを見るためだけののそれになる。スクリーントーンの網点は影、柄、解釈から解放されて、単なる点の集合に戻り、登場するなんらかのキャラクターはGペンで描かれたストロークに戻る。

それは漫画がパレードをする方法だと思う。


東春予

1995年生まれ。京都芸術大学卒業、『実験漫画(コミックはミュージックのように)





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